2010年12月31日
ブルー・マリッジ
結婚式当日に花婿を殺され、復讐を誓う処女の花嫁。
ウェディングドレスのニ刀流。
花婿を殺した組織に単身で挑む。
戦う過程でドレスは薄汚れ、ボロボロになって行く。
お約束で死んだと思ってた花婿が、実は黒幕。
「彼は死んだのよ!」
絶叫する花嫁。
花婿の二丁拳銃 VS 花嫁のニ刀流。
カタナで銃弾を割り、彼の元へ駆け寄り、首を落とすその寸前。
コンマ1秒の一瞬、やさしく微笑む花婿。
何もかも一瞬の出来事で言葉を発する時間などないのだが、彼は確かに「愛してる」と呟いた。
花嫁の時間が止まる。
しかしカタナは止まらず、花婿の首を落とす。
式をあげるはずだった教会の祭壇前で、花婿の首を抱く花嫁。
崩れ落ちつつある教会。
花嫁は首だけになった花婿にキスをする。
教会崩落。
ひるがえって春売りの娘。
もうすげえ上手い。
治したEDは星の数。
切った童貞も星の数。
しかも凄くイイ身体。
身請けしたいという男も数多くいたが、心が自由で誰のものにもならないため短命。
一生で一人だけ心から愛した男がいたが、彼は春売りの娘を汚らわしい者として見ていた。
売春という言葉はちょっと面白いと思います。
春を売るっていうのは何やら趣がある気がします。言葉が優しい。
売女(ばいた)よりずっといい。
現代だと売春のイメージは最悪ですし、そもそも売春行為が違法です。
でも身体を使ってお金を稼ぐ事の何がいけないのか、どうして法律で決められているのかを
ちゃんと説明するのは難しいと思います。
拍手のお返事→
今月の27日だったかな、近所に住むPGの相馬さんがオロカメンのコスプレで登場しなすった。
なんでもガイナックスのコスプレ忘年会で着るそうです。
オロカメンは筋少のジャケットでしか知らないキャラですが爆笑しました。
そんで絵描きの寿命って短いよなという話になりました。
一度人気が出ても、たいていの絵描きはその人気が長続きしないのです。
持って3年、長くて5年。
5年間、目立つ場所に居られたらもうこれは成功だよなーうんうんと、せちがらい話になった
でも表舞台では見ないけど、裏方(または同人)に回って給料が上がるケースもあるので
いちがいには言えないですが。
今年最後の更新がこんな。
そうだ、少し今年を振り返ります。
年始はコッソリ何かを作り上げました。
春にシマリスの「ぷっち」をお迎えしました。ぷっちは元気です。
梅雨前に大きい仕事が来て、いまもその仕事でアィ〜って言ってます。
アヒィ〜。
でも何だかんだ言って仕事が増えて嬉しい年でした。
仕事上での新しい出会いもたくさんありました。
あと失敗もしました。
おかげさまで色々勉強してます。
失敗からも学ぶ姿勢が大事だと思います。
来年の抱負は「温泉旅行に行く」です。
それではこれで。
良いお歳を…。
2010年11月14日
飼ってるブタと愛を育んでいたらドアガチャー開いてビクっとなった少年。
思い余って幼児にどうにかされる男性。
正義のシマリスマン。
拍手のお返事→
逃れられないのは分かっていたが、それでも逃れたかった。
“彼”にとって自分は餌でしかなく、足首を縛られて逆さ吊りになっている鶏も同然だ。
「こんばんは。吸いに来ました」
窓もドアも十字架と聖水で封じたのに、耳元で囁かれ、飛び跳ねて驚いた。
「最後に何かありますか?」
「さ…最後って…」
「いちおう、吸うまえに話をきくことにしている」
“彼”は笑顔を見せたが、その笑顔が怖すぎて失神しそうだった。
と言うか失神したかった。
「あの…助けてもらえませんか?」
「それはダメだよ。お腹へってるもん」
「ほ…他の人じゃ…」
「今日はA型の気分なんだ」
「ぅぇA型なんて腐るほど居ますよね?なんで…」
「なんでキミなのかと言うと、美味しそうだったから。さ!もう吸っていい?」
慌てて両手を前に出し、迫って来た“彼”を押し戻そうとした。
“彼”の身体は氷のように冷たく、思わず手を引っ込める。
それを見た“彼”は、少しだけ傷付いた顔した。
「待って下さい!まだ聞きたい事が…そうだ、どうやってこの家に入って来たんですか?」
「えっ…?ドア開いてたよ?」
「でも十字架…聖水…」
「ドア開いてたから、そのへんにあった棒で押して入った。十字架も聖水もいいけど、ドアは閉めなきゃ!」
「そっ…いや閉めましたよ!」
「でも開いてたし…まさか先客?ちょっと首みせて」
“彼”は強引にアゴを取り、首を見た。
触れられている手も異様に冷たい。思わず鳥肌が立つ。
「良かった。まだだった。じゃあ頂きます!」
「うわ、まっ、待って下さい!」
「まだ何か?」
「あの、最後にちょっとやりたい事が…」
“彼”は不満そうな顔をしたが、取りあえず聞く態勢に入ってくれた。
「やりたい事って?」
「それが、まことに言いにくいのですが…」
「じゃあ言わなくていいよ!」
セリフと同時に、噛み付こうと飛び込んで来る。
「まーっ!待て!待って下さい!!」
全力で“彼”の口と額をキャッチし、吸血を阻止する。
顔が近い。
美しい顔だったが、息は生臭かった。
「も〜何だよー。早く言ってよ〜お腹へった」
「み、見てお分かりのように、私は普通の人間です」
「はい。そうだね」
「人間として最後を迎えたいので、僧侶に教わった祈りを唱えたいのですが…」
「ダメだよ」
僧侶の祈りには解呪の効果がある。
祈られると、吸血鬼や死霊のたぐいは消滅してしまうのだ。
だが祈りは完唱するまで3分ほどかかり、大抵は祈り終わる前に餌食になってしまうので、この祈りは運用するには問題があった。
「しかし祈らないと、私も吸血鬼になってしまいそうで…」
「そんなドジしないから」
「ですが…」
「ねえ、もういいよね?吸うから」
力任せに迫って来る“彼”を回避しつつ、話を続ける。
「まだ夜は長いのですから!少しくらい祈ったっていいでしょう!?」
「ダメ!」
“彼”の牙が首筋に当たる。
「ほああ!じゃあこうしましょう!お話!お話をお聞かせしますから!」
「…お話?どんな?」
「え〜では“どうしてドアが開いていたのか”」
「なにそれ?」
「タイトルです。多分、飼ってるネコが開けちゃったんだとは思うのですが」
“彼”は微妙な顔した。そしてまた首筋に牙を立てる。
「あっ!じゃあ“私の恋話”では!?」
「諦めろ。さあ!今度こそ頂きます!」
“彼”の牙が肌を突き刺す。
チクリと痛みがした。
「いっ…!」
「アレ?痛い?おかしいな。痛みは無いはずなんだけど…」
そう言ってまた吸い始める。吸われる度に傷口が痛んだ。
「痛い痛い痛い!痛すぎます!このヘタクソ!!」
あまりの痛さに腹が立ち、思わず本音が出た。
ハッとして“彼”を見ると――“彼”は酷く傷付いた顔をして――うなだれていた。
「あっ…すみません、嘘…嘘です。痛くありませんでしたよ」
「………」
「いや、ちょっとは痛かったですが、その…」
うなだれたまま顔を上げない“彼”を必死で慰めてみたが…暗い表情のまま、石になってしまったかのように動かない。
“彼”は、今にも灰になって散ってしまいそうだった。
「すみません…そうだ、もう一度、吸ってみてはどうでしょう!?今度は…」
「もういい」
小さく呟くと、“彼”は音もたてずベッドから出て、うなだれたまま部屋を出た。
「あっ…!ちょっと…!」
呼び止めても振り返らない。
そして“彼”は、玄関にまいてあった聖水で滑り、転んだ拍子にドアに打ち付けてあった十字架に手を掛け、絶叫する。
「大丈夫ですか!?」
“彼”は十字架で火傷を負った手を握り締め、涙目で振り返った。
「あの…」
「帰る」
“彼”は泣き声でそう言うと、夜の闇に溶け、やがて見えなくなった。
噛まれた傷が少しだけ痛んだが、取りあえず命は助かったらしい。
今度はドアをしっかりと閉めて、鍵をかけた。
//おわり